Googleビジネスプロフィールのインサイトで見るべき数値

「インサイトって何を見ればいいの?」
「数値は出てるけど、どう活用すればいいかわからない」
そんな声、Googleビジネスプロフィール(以下GBP)の運用者からよく耳にします。
せっかく店舗やサービス情報をしっかり登録していても、数値を活かせなければMEO効果は頭打ちになってしまいます。
インサイトとは、Googleが提供するユーザーの行動ログを可視化した機能。
要は、「どんな検索で発見され」「どれだけ興味を持たれ」「どんなアクションを起こしたか」がひと目でわかる便利なデータです。
この記事では、インサイトの中で特に重視すべき項目と、その活かし方を分かりやすく解説します。
数字アレルギーの人でも安心して読める内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
インサイトで得られる情報の全体像
GBPのインサイトは、Google検索やマップでユーザーがどう動いたかをグラフや数値で見せてくれる機能です。
以下のような情報が確認できます。
指標名 | 意味 |
---|---|
表示回数 | ビジネスがGoogle検索・マップで表示された回数 |
検索語句 | ユーザーが検索に使ったキーワード |
ウェブサイトクリック数 | ウェブサイトリンクをクリックした回数 |
電話発信数 | 電話番号ボタンを押した回数 |
経路案内リクエスト数 | 「経路を表示」をタップした回数 |
写真の閲覧数 | 登録された写真が見られた回数 |
口コミの数と評価 | ユーザーが投稿した口コミ件数と星評価の平均 |
これらの情報をただ眺めるだけではもったいない。
どう読み取り、どう改善につなげるかが本当に大切なところです。
優先してチェックすべき項目はこの4つ
全部見ようとすると混乱します。
まずは以下の4項目に絞って確認するのがおすすめです。
優先度 | 指標名 | 理由 |
---|---|---|
高 | 検索語句 | ユーザーのニーズや流入キーワードがわかる |
高 | 表示回数 | 発見されている頻度をチェックできる |
中 | 経路案内リクエスト数 | 来店意欲があるユーザーがどれだけいるかがわかる |
中 | ウェブサイトクリック数 | 興味を持ったユーザーが何をしたかが見える |
この4つを定期的にチェックしていけば、「何がうまくいっているか」「どこを改善すべきか」が見えてきます。
検索語句のデータが最も重要
「検索語句」は、実際にユーザーがどんな言葉であなたのビジネスを見つけたかが分かる宝の山です。
たとえば、以下のように表示されます。
検索ワード | 表示回数(過去28日間) |
---|---|
熊本市 居酒屋 個室 | 1,230回 |
天神 カフェ wifi | 980回 |
大分市 ラーメン 深夜 | 760回 |
この情報を見れば、お客様が何を探しているかが手に取るように分かるはずです。
さらに、これらのキーワードを以下のように活用することが可能です。
- 写真のキャプションに入れる
- 投稿やイベント情報に盛り込む
- 店舗説明文を見直す
ユーザーの検索意図に合わせて情報発信することで、表示回数やクリック率の改善が見込めます。
表示回数は「発見されている証拠」
表示回数は、検索やマップであなたのビジネスがどれだけ表示されたかを示す数値です。
言ってみれば、お客様の目にどれだけ触れているかのバロメーターです。
さらに表示回数には2つの種類があります。
- 検索経由の表示:Google検索結果に表示された回数
- マップ経由の表示:Googleマップ上に表示された回数
この内訳を把握することで、どの導線が機能しているのかが明確になります。
たとえば、「検索経由」が多いならSEOやMEO対策が効いているサイン。
「マップ経由」が多ければ、近隣の人に見つけられていると考えられます。
それぞれの数値に合わせて、
- タイトルや説明文のキーワードを見直す
- 営業時間や住所の明記を強化する
- カテゴリや業種を再確認する
といったチューニングが可能になります。
ユーザーアクションの数値が意味するもの
ビジネスプロフィールが表示された後、ユーザーがどのような行動をとったかは非常に重要です。
ここで見るべきは、「電話をかけた」「ウェブサイトをクリックした」「経路を調べた」という3つのアクション。
これらのデータは、実際に「興味を持って動いた人」の数を示しています。
行動内容 | 数値の意味 |
---|---|
電話発信数 | 実際に連絡を取ろうとした人数 |
ウェブサイトクリック | 詳細情報や予約、メニューを確認しようとしたユーザー数 |
経路案内リクエスト | 実際に来店を検討したユーザーの数 |
アクションが多い=来店や購入の見込みが高い、ということで、ここは集客の“ゴールに近い部分”になります。
例えば、表示回数は伸びているのに電話や経路案内が少ない場合、魅力が伝わっていない可能性があります。
改善ポイントとしては
- メイン写真をよりわかりやすいものに変更
- 電話受付の時間帯を明記
- 予約ページやメニューへの導線を強化
こうした調整で、アクション数を増やすことができます。
口コミの数と評価は信頼性に直結
Googleビジネスプロフィールで見落としがちなのが、口コミと評価の動向です。
インサイトでは、過去30日や過去90日間の口コミ数の増減と、平均評価の変化がグラフで確認できます。
高評価が多くつくと検索結果の上位表示に影響すると言われています。
ただし、数字だけでなく「返信の有無」も重要です。
Googleは、口コミに対して積極的に返信しているビジネスを高評価する傾向があるため、すべての口コミに誠実に応答する姿勢が求められます。
以下のような対応が好印象です
- 肯定的な口コミ→丁寧に感謝の気持ちを伝える
- 否定的な口コミ→誠意をもって改善策を伝える
返信があることで他のユーザーも「安心して来店できそう」と感じやすくなります。

写真閲覧数が与える影響
意外と軽視されがちなのが、写真の閲覧数です。
でも実は、クリック率や来店率に大きく影響するのがビジュアルの力。
ユーザーは店舗の雰囲気や清潔さ、料理の盛り付け、商品の状態などを写真で確認します。
インサイトでは、「オーナーが投稿した写真」「ユーザーが投稿した写真」それぞれの閲覧数が分かります。
数値が伸びていない場合、以下の改善が効果的です。
- 写真の枚数が少ない→最低10枚以上を目安に追加
- 季節感がない→春夏秋冬で写真を入れ替える
- 光量が足りない→明るい自然光の時間帯で撮影し直す
写真は文字以上に強い印象を与えるツールです。
インサイトを活用して閲覧数の推移を見ながら改善しましょう。

指標ごとの変化をどう追うか?定点観測のすすめ
指標を一度だけ見るのではなく、継続的に記録・比較することが大切です。
たとえば毎月初めに以下のデータをスプレッドシートに記録すると効果的です。
月 | 表示回数 | 電話発信 | 経路案内 | 口コミ数 | ウェブクリック |
---|---|---|---|---|---|
4月 | 5,200 | 52 | 84 | 21 | 73 |
5月 | 6,100 | 67 | 103 | 28 | 91 |
このように定点観測していくことで、
- どんな取り組みが効果につながったか
- 季節要因による変動があるか
- 投稿・口コミ返信のタイミングと反応の相関
などが見えてきます。
「今月はやや落ち込んでいるな」と感じたら、Googleトレンドで関連キーワードの動向を確認するのもおすすめです。
インサイト改善に向けた具体的アクション
数字を見て満足するのではなく、そこから何をどう改善していくかが勝負どころです。
ここでは、インサイトをもとに実行すべきアクションを具体的にまとめてみました。
キーワードに合わせた情報更新
検索語句のデータを活用して、情報発信やプロフィール内容をキーワードに沿ってチューニングしましょう。
- キーワードを説明文や投稿文に自然に含める
- 写真キャプションや商品名にもキーワードを反映
- 季節性ワードにはタイムリーに対応
これだけでも、表示回数の底上げが期待できます。
口コミ対策は“攻め”も“守り”も必要
口コミ返信の重要性は先に述べましたが、そもそも口コミを集める工夫も必要です。
- 会計時に「よければ口コミお願いします」と声かけ
- 店内ポスターやPOPでQRコードを提示
良質な口コミが増えれば、検索表示だけでなく信頼性も高まります。
写真更新は「鮮度」がカギ
写真閲覧数が伸び悩む場合、古い写真が放置されていないか確認しましょう。
- 新メニュー・新商品が登場したら即アップ
- 季節イベントや内装変更もタイムリーに更新
- 定期的に撮り直し、古い写真は削除
“動きのあるページ”はユーザーに好印象を与え、Googleにも積極的な運用と認識されやすくなります。
ユーザー心理を読み解くインサイトの見方
インサイトの数値は、ユーザーの行動を追った“足あと”です。
単なる数値ではなく、その裏にある心理を読み解く視点を持つと、改善のアイデアがどんどん出てきます。
- 表示回数は多いのにアクションが少ない → 写真や説明文に改善の余地あり
- 検索語句に地域名が含まれている → 地域密着型の投稿やイベントが有効
- 経路案内が急増している → 店舗周辺での競合と比較されている可能性大
ユーザーの視点に立って「なぜこの行動をしたのか?」を考えるクセをつけましょう。
外部ツールと組み合わせて見える化を強化
Googleビジネスプロフィール単体でも十分なデータは得られますが、他のツールと組み合わせることで、より立体的な分析が可能になります。
ツール名 | 活用方法 |
---|---|
Googleアナリティクス | ウェブサイト遷移後の行動分析 |
Ubersuggest | キーワードの検索ボリューム・競合度を把握 |
Canva | 魅力的な写真加工・投稿用デザインの作成に活用 |
Googleトレンド | 地域別の検索トレンドを確認 |
これらを併用することで、Googleビジネスプロフィールでの施策がWebサイトやSNSにも好影響を与える連携設計が可能になります。

数字を味方につけるために
Googleビジネスプロフィールのインサイトは、店舗の現在地を把握し、改善を繰り返していくためのナビゲーションシステムです。
特別なツールを使わずとも、誰でも無料で確認できるにも関わらず、使いこなせていない人はまだまだ多いのが現状です。
数字はウソをつきません。
でも、読み解かなければただの記号にすぎません。
検索語句、表示回数、口コミ、写真閲覧数、ユーザーのアクション。
それぞれの動きを観察し、ユーザー心理を推察しながら施策を重ねることで、あなたのビジネスはより多くの「見込み客」と出会えるようになります。